『貧困研究』第2号

2009年5月

出版:明石書店
定価:1800円

編集委員
青木 紀(北海道大学)※編集長
岩田正美(日本女子大学)
布川日佐史(静岡大学)
福原宏幸(大阪市立大学)
松本伊智朗(札幌学院大学)

巻頭のことば

 今こそ貧困調査の実施と生活保護制度の改革を(布川日佐史)

特集●流動社会における新しい貧困のかたち――貧困研究会第1回研究大会共通論題より

 共通論題実施にあたって(村上英吾)
 住居喪失不安定就労者に関する厚生労働省全国調査について(北條憲一)
 若年ホームレス生活者への支援の模索(沖野充彦)
 ネットカフェ生活者の雇用と住居の流動性(村上英吾)
 三報告へのコメントと論点開示――「新しい貧困」の分析視角をめぐって(垣田裕介)
 三報告へのコメントと論点開示――労働組合運動の視点から(河添誠)
 さまざまな貧困の「かたち」とその意味――シンポジウムまとめに代えて(岩田正美)
  追悼:貧困研究者・江口英一先生を悼む(岩田正美)

小特集●貧困研究の課題

〈I〉医療と貧困
 1.貧困・所得格差と健康――貧困の絶対性と相対性の観点から(近藤尚己/イチロー・カワチ)
 2.わが国の貧困と医療の課題――英国との比較から(高鳥毛敏雄)
〈II〉若者と貧困
 1.若者の貧困を見る視点(宮本みち子)
 2.自己責任論とアンダークラス論を乗り越えるために――若者と貧困に関する実証研究の課題(西田芳正)

この人に聞く 第2回

 派遣村の先に見えるもの――メディアと貧困問題(インタビュー:青木紀)
  水島宏明(テレビディレクター)
  東海林智(毎日新聞記者)
  斎藤貴男(フリージャーナリスト)

投稿論文

 アメリカにおける「個人開発口座IDAs」の展開――資産ベース福祉政策に関する予備的研究(野田博也)
 日本の教育費制度と貧困問題――修学資金制度の利用実態を通じて(鳥山まどか)

書評論文

 ポール・スピッカー『貧困の概念――理解と応答のために』(小西祐馬)
 阿部彩『子どもの貧困――日本の不公平を考える』(山野良一)

海外貧困研究動向

 フランスにおける貧困研究 マリーズ・マルプサット(訳:福原宏幸)

国内貧困研究情報

 1.貧困研究会第1回研究大会報告
  第1分科会報告:社会的包摂政策の現在――欧州と日本(座長:中山徹)
  第2分科会報告:子どもの貧困と健康・障害(座長:松本伊智朗)
  自由論題の記録と論点整理(座長:下村幸仁)
 2.興味深い統計と数字の動きを見る
  多重債務と貧困――公的統計・調査からみる日本と米国の現状(宮坂順子)

貧困に関する政策および運動情報

 2008年8月~2008年12月(村上英吾/五石敬路/鳥山まどか/松本一郎)

 「貧困問題」キーワード解説(大澤真平)